[ 要約 ] 多関節ロボットの姿勢により変化する振動位相に関する研究

 近年,産業用の多関節ロボットは自動車や電子部品の生産過程において,組立や溶接,また塗装などの幅広い分野において利用されている.そして,実際の生産工場においては生産性向上が重要な課題となっており,そのためにロボット動作の高速・高精度化は必要不可欠である.しかし,多関節ロボットの関節駆動部には低剛性の減速機が用いられており,アーム自体の剛性も低いためロボットアームの動作中に振動,および停止時に残留振動が発生し,高速・高精度な位置決めが困難なものとなっている.  この問題の解決法としてアームの剛性を高くする方法があるが,高剛性化に伴う装置の大型化やエネルギの無駄が多くなり,高コストとなる.そのため,振動の発生状況を把握した上で,動特性を考慮したモデル化・制御設計による解決が有効である.  本研究では,多関節ロボットの動作停止時にエンドエフェクタ部に発生する残留振動について,姿勢の変化による振動の特性の変化を考慮して振動抑制を行うこと目的しており、今回は姿勢の変化と振動の特性の変化の関係について調べるため,さまざまな姿勢においてロボットアームの伝達関数測定を行い,その結果について考察する.

[ 参考文献 ]
● なし